口の中と鼻の中とが繋がる時人は何を思う
2002-6-25 IYODA Atsushi
昨日は先週に続いて左上の親不知を撤去する作業のため歯医者に向う。
今回の親不知は左下方向に斜めに生えており元々上手く噛み合さっておらずあ
まり役に立っていなかったものである。
いつものように歯医者の可動椅子に横になり麻酔注入、ドクター綱島による抜
歯が始まったのである。ちなみにドクター綱島は私の担当医である。
まあ斜め生えている分苦労して頂いた感はあったが無事に抜歯が終る。まあ前
回の経験もあってこれでしばらく痛み止めでも飲んでいれば無事に穴も塞がる
かななどと考えながら嗽のため水を軽く含み口の中で撹拌したところまでは良
かった、しかし。
水を吐き出した時異変は起きた。吐き出した筈なのに歯を抜いた部分から液体
が垂れる感蝕があるではないか。私は前回には無いこの感蝕に驚きつつも冷静
に、出血かいやそれにしては鉄分の味がないなどと考えながらそれを吐き出し
てみた。それは唾の含む水のようであった。これはどういうことなんだろうか
と考えながら椅子に背をもたれるとまた先程の感蝕があるではないか。当然吐
き出してみるわけだがやはり血ではなく水っぼい透明な液体である。再度椅子
にもたれるとまた水が出てくる。また吐き出す。これを計四回ほど行なった後
で規則性を見い出すことができた。顔の面を天井方向に向けると水が垂れてく
るということである。そして理解したことは嗽で含んだ水が鼻の奥の空間に抜
けそれが顔を上向きにすることでまた口の中に戻るということであった。良く
見ると鼻水っぼいものが含まれていたのも理解を助けたといえる。
嗽の後ドクターが抜けた痕をチェックしだしたのだがやはり狼狽の表情を隠せ
ないようだ。しばらくしドクター亮とドクター森とで再度チェックが入り。
「鼻と口のとかスースーしますか。」とい聞かれそれを肯定する。私としては
状況を理解していたし鼻で呼吸するたびに口にも空気が抜けている感覚も麻酔
が弱くなるにつれてはっきりしていたのである。
暫くの間抜けた歯の部分にガーゼを噛んだ後はドクター森により再度麻酔、切
開。ドクター亮による縫合を経て即席でカバーを被せてもらい。処置は完了。
前回抜いたときの薬に化膿止めを追加でいただき歯医者を後にした。
時間にして二時間半。長い戦いであった。