終演の終焉

1999-12-31 IYODA Atsushi
今日もバイクで開場まで移動する。
1900前に会場に入り、ステージの真正面のスタンド席で開演を待つ。
二部構成で途中に休憩が入る今日のミサは事実上聖飢魔II最後の活動となり所謂解
散を祝うイベントだと思っている。

第一部ではアコースティックミサを途中に挟み、こんな曲やあんな曲を披露する。
これで最後だと思うと拳に力も入る。しかしこれが最後だと頭で理解しているだけ
でこれから起ることの本当は体感できていなかった。
「Winner!」の最中に自分の中でいつもと違うなにかが奇妙なノイズを出している
ことに気がついた。でも無視した。

休憩と上映を挟み「Outer mission」は始まる。休憩中に隣りの人と曲の予想をし
ていたのだけれど、自分ではこの曲が入っているとは思っていなかった。この後も
自分の予想を裏切る選曲で進行していった。

そして構成員からの最後のメッセージが信者に向けられ「エルドラド」は始まる。
メッセージを伝えられている最中は平然としているつもりだったが曲の導入部から
涙が溢れだす。このときから両ステージサイドには時計が2343を示し「もう帰らな
くてはならない。」という言葉を印象づけるかのように時を刻む。

最後のメンバー紹介が終わり彼らは階段を登り帰っていった。扉が閉じた時に時計
は0000を示していた。スクリーンにスタッフロールが流れ最後に「地獄で会おう」
という言葉でスタッフロールは止った。ずっとスクロールしているスクリーンを見
ていたので最後の言葉が止ったときにその言葉が逆向きつまり下側に進んでいる錯
覚を覚えた。

会場が明るくなり照明係の人が引きあげた後もそこに立ちつくす。場内に「正義の
ために」と「世界一のくちづけを」のカラオケが流れていたのでだれともなく歌い
だす。彼らはいってしまった。すべては終わったんだという実感がまた涙を誘った。
会場に残った信者と万歳やウエーブそして三々五々締めをしたあと会場を後にした。

会場の外で顔見知りの人達と談笑して記念撮影をした。
約束どおり彼らには西暦二千年はこなかった。
「あけましておめでとう。」そして悪魔達に「ありがとう、また地獄で会おう。」